大学と大学教育
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6 | 21世紀の航海に船出する人へ ――聞き上手・つなぎ上手・孤独上手が進化力を生む―― |
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21世紀の航海に船出する人へ
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5 | 「第三の知識」が学生の自治活動を元気にする | 『経済学会自治会会報』2003.4 | |
「第三の知識」が学生の自治活動を元気にする 新しい時代は新しいアクターやコミュニケーション媒体を出現させるとともに、古くからのアクターにリニューアルを要請しています。大学が社会との関係で大きく転換しつつある今日、古くからのアクターである学生の自治活動のテーマや意志疎通のための言葉や媒体も大きな変化に直面しているのではないでしょうか。 (『経済学会自治会会報』2003.4) | |||
4 | 「大学経験」の場としての演習 ――例えば、「つなぐ」ということの大切さ―― |
平成15年度『経済学演習履修要項』 | |
「大学経験」の場としての演習
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3 | 大学で求められる知的能力の水準はどれぐらいか | 『経済学会報』第23号、2002 | |
大学で求められる知的能力の水準はどれぐらいか 小中学生の学力低下と並んで、大学生の学力低下が話題になっている。授業を含む一日の大学生の学習時間が約2時間50分で小学生よりも短いという最近の調査もあるので、学力の低下は大学教育においてより深刻な問題である。国公立の大学は入学試験の科目を増やすこと(いわゆる多教科入試)で、入学者の学力低下に歯止めをかけようとしている。関西大学でも、S日程(国語、英語、社会、数学の4教科入試)やB日程(国語、社会、数学から構成される基礎テストを含む)のような多教科入試を実施して、合格者の入学後の学習意欲や成績に関心を寄せている。 1. 読書量のチェック 2. 文章力のチェック 3. プレゼンテーション能力のチェック 経済学部の学生は、読書量や文章力、プレゼンテーション能力のレベルを卒業までにはすべて(3)のレベルに達していることが望まれる。ゼミに入る段階では、少なくとも各能力とも(2)のレベル(計9点)に達している必要がある。
わたしはこのように考えるが、学生のみなさんはこの基準を厳しいと思うだろうか、それとも易しいと思うだろうか。 (『経済学会報』第23号、2002) | |||
2 | 21世紀の経済学教育をめざして ――「高い基礎能力」こそ究極のキャリア形成―― |
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21世紀の経済学教育をめざして
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1 | learn and unlearn の場としての大学 | 『大学 Kansai University』1995 | |
learn and unlearn の場としての大学unlearn のすすめ unlearn は「学ばない」ことを意味するのではなく、いままでの学習の仕方や練習のやり方を変え新たに学び直すこと、従来の考え方を振りほどき新しい考え方を身につけることを意味します。learn and learn が上手で、成績のいいひとや「有名大学」に合格したひとほど、高校や予備校のときの学習の仕方から抜け出るのが大変ですので、それだけ unlearn
することはシンドサをともなうと思います。成績の悪かったひとの方が unlearn を比較的容易にやれるとも言えます。いずれにせよ、大学生活はこの unlearn することからはじまるのです。 頭よりも眼を ここで unlearn の方法を考えてみましょう。それまでうまくいっていた思考パターンや行動パターンが良い結果をもたらさなくなると、「ワン・パターンになっている」と言いますが、そのようなときが unlearn
のチャンスです。しかし、従来の思考パターンが根強く残っていますので、社会や世界の新しい変化は例外や雑音として理解され、チャンスの到来は見過ごされてしまう場合がよくあります。古い考え方に支配されている「頭」にまかせておいたのでは、古い考え方を振りほどき、新しい考え方を作り出すことはなかなかむつかしいのです。そこで、「見る」という働きをする眼や「聴く」という働きをする耳が重要になってきますが、以下では、眼に焦点を当てて考えることにします。 21世紀を「環境の世紀」に 今日の私たちがいちばん unlearn しなければならないのは、地球環境の利用の仕方です。二酸化炭素による地球温暖化、フロンガスによるオゾン層の破壊、窒素酸化物・硫黄酸化物による酸性雨といった「地球環境問題」は、人間の経済活動が自然の浄化能力と衝突し、この浄化能力を衰退させていることを示しています。環境問題は、経済を優先し、ひたすら効率・便利さ・快適さ・スピードを追求した21世紀の「負債」であると言っていいでしょう。企業も消費者も、大学も政府も国際機関も、従来のやり方や基準を見直し、これまでの考え方を振りほどき、新しいやり方・考え方を考案する必要に迫られています。 (『大学 Kansai University』1995) |